日伯友好カップ

アントラーズ準決勝、ヴァスコに惜敗

[2012.09.02]

8月31日は準決勝2試合が行われました。そのうち1試合は、我らが日本勢から、アントラーズが進出!U−15の大会とは言え、さすがはサッカー大国。この準決勝からは、ブラジルのテレビ局エスポルチ・インテラチーヴォの試合中継も始まります。

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準決勝の相手はヴァスコ。ここまでの4試合を、3対0、7対0、7対0、5対0と、大量得点・かつ無失点と、まさに破竹の勢いで勝ち上がってきた強豪です。

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しかし、アントラーズはひるむことなく、キックオフ。前半序盤は、アントラーズが攻め込む場面が多く、対等以上の戦いを展開します。
試合が進むにつれ、少しずつペースを取り戻したヴァスコに攻められても、ピンチをGKとDFを中心に防ぐアントラーズ。
しかし、前半も終盤に近づいた頃、ヴァスコの波状攻撃から、ついに先制点を奪われ、0対1で、折り返します。

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後半が始まる頃には、もう1つの準決勝を戦うアトレチコ・ミネイロが会場入り。アントラーズ対ヴァスコの試合を凝視しています。

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アントラーズは後半立ち上がりに失点し、0対2。しかし、選手達はそれぞれ「時間はあるぞ!」「まだいける!」「切れずに行こう!」と、互いを刺激し合います。アントラーズの特徴の1つは、試合中の声。局面が変わるたびに「切り替え!」と、ピッチとベンチの両方から、声が飛びます。
試合は押しつ押されつの展開。チャンスは作るものの、決め切れずに、じりじりと時間が過ぎていきます。残り時間もわずか…。
その時、アントラーズがついに、1点をもぎ取ったのです!今大会、ヴァスコに初失点を見舞ったアントラーズ、歓喜もそこそこに「ここからだ!」「もう1点!」と、走ります。

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最終的に、1対2で敗戦。しかし、勝ってもおかしくない戦いで、ヴァスコをここまで苦しめたのはアントラーズだけ。その戦いぶりは、ブラジル中が注目するところとなりました。

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<試合>

アントラーズ 1×2 ヴァスコ

 

GK 江藤(木戸)

DF 須田、垣田、町田、大里(仲田)

MF 千葉(宮本)、平戸、色摩、草野

FW 郷古、木村

 

アントラーズの得点者:垣田裕暉


★木村稜人選手の収穫

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今日は、僕は点を取れなかったので、ちょっと悔しいです。チームとしては、みんな一丸となって、準決勝まで来たけど、勝てなくて、ちょっと悔しいです。ブラジル人は力がすごいあって、1つ1つのパワーがすごかったです。

この遠征では、クロスボールとか、自分のクロスの入り方が通用したので、自分でもまだ伸ばせると思っています。課題は、もっとしっかりボールをキープできるように、日本でも練習したいです。

日本へ帰ったら全国大会出場を目指したいです。将来の目標は、サッカー選手になることです。


★賀谷英司監督の総括

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前半28分ぐらいまで0対0で、その後、失点をしてしまって。最初はゼロ・ゼロで行きたいというのがあったんですが、でも、相手も勝ち上がってきたチームですからね、0対1で終わって。

後半は、逆に1点取れるチャンスもありましたけど、なかなか入らず、0対2という形になって。でも、最後まで選手はあきらめないで、CKから1点取って、1対2にして、その後もあきらめることなく、最後までゴールを取るという姿勢を見せていました。

だから、最終的に負けましたけども、予選からここまでの戦いっていうのは、今までブラジルに来て、感じられなかった部分を、選手達は本当によく、ここまで持続して戦ってくれたなという気がします。

以前は気持ちの部分だったり、相手が背が高かったりといったことで、自分達の方が萎縮してしまったりするところがあったんですけど、そうじゃなくて、ブラジル人相手でも、自分達はできるんだ、という自信を持って、プレーしてくれました。

それは球際だったり、技術的なことだったり、後はやっぱり僕は、気持ち、メンタルの部分でも、本当にすごく成長してくれたなと思います。僕たちもそれを見て、もっともっとやっていきたいと思います。

そういう意味で、この日本とブラジルの交流において、日本はほとんど予選から突破できずにいた中で、ここまで来られたっていうのは、日本のサッカー、アントラーズのサッカーがやってきたことが、本当に間違ってなかったんだということを証明できたと思いますし、またこれからも続けていきたいと思っています。

子供達にとっては、本当に財産になりました。これを自信にして、日本に帰って、また頑張って活躍したいですね。


<試合後>

この試合をつぶさに観察していた、元鹿島アントラーズのサントス。試合が終わると、賀谷監督と北村コーチのところへ歩み寄り、アドバイスしてくれました。戦いは選手、指導陣、そしてOBも参加しての、総力戦です!この後は3位決定戦が待っています。がんばれ、アントラーズ!

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文=藤原清美、写真=Jorge Ventura / George Henrique

 

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