つくば第3戦、強豪の洗礼
[2012.08.31]
午前中は肌寒いほどの気温だった、日伯友好カップ予選リーグ第3節。ここまで1分1敗のつくばは、悲願の1勝を目指して、キックオフ!
しかし、相手はブラジル屈指の強豪、ヴァスコ。立ち上がりに1点を奪われると、前半だけで、まさかの4失点という展開。
なんとか一矢報いたい後半でしたが、ヴァスコの攻撃の手が止むことはなく、さらに3失点。守備に回り、疲労も増す一方です。
結果は0対7。けれど、最後まであきらめずに戦った誇りを胸に、この経験を活かすのは、これからの頑張りにかかっています!
<試合>
つくば 0×7 ヴァスコ
GK 隈元(石塚)
DF 高橋、中岡(小林)、倉田、関根
MF 綿引、伊藤、野田、中村
FW 野中、内藤(大森)
★内藤祐太選手の収穫
今日は前半最初から、前からの守備が出来て、いい感じで入れました。でも、相手も強くて、ハメられるところは、ハメて取れたんですけど、何回か逃げられて、ピンチになったりしたんで、すごく経験になりましたし、これからそれを活かして、日本でも頑張っていきたいと思います。
ブラジル人は体も全然違って、最初は怖かったんですけど、試合になってみたら、そういうのは関係なかったです。サイズは違いますけど、自分的にはすごく強くいけたんで、良かったと思います。
ブラジルに来て、すごく良い経験が出来たんで、この経験を忘れないで、日本に帰って、日本一獲りたいと思います。
★土田哲也監督の総括
今日はまず、試合の展開を考えると、立ち上がり早々のミスからの失点というのは、非常に痛かったですね。ただ、選手達はそこで気持ちを落とすことなく、自らのプレーを発揮すべく、一生懸命戦ったと思います。
ブラジルの選手との大きな違いとして、ゴールや攻撃の展開の局面で、やっぱり質の違いがあったというのは、素直に認めなきゃいけないかなと。
ウチも中盤でボールを動かして、最後の局面まで持っていくことはできるんですが、やっぱり、クロスの質だったり、ラストパスの質だったり、それに対して入っていく、ポジショニング、タイミングの質っていうのが、やっぱり違う。
1人1人がボールを受ける時に、単純にボールを蹴る、止める、っていう部分で、そんなに技術の差はないと思うんですけど、いざ相手がいる中で、どこに止めたらいいのかとか、次の展開を考えた上で、どこにボールを動かしたらいいのかっていうところを、相手はよく分かっているな、という感じがしました。
昨日、おとといやったチームよりも、今日やったヴァスコっていうのは、特にそういうところが優れていたと思うので、選手達が、やりながら、どれだけ感じてくれたかなっていう。まぁ、後で選手達には話をしますけども。
そこに大きな差があったっていうのは、謙虚に受け止めざるを得ない、と共に、やっぱり日本に帰って、そういうところを、みんな上げていかないと、その差は縮まらないと思うんで。
今後については、普段のトレーニングの中でも、ゲームの流れの中で、それから、相手がいるという状況の中で、発揮できるスキル、っていうのを、身につけて、あげていかないといけないですね。
ブラジルに関して言えば、やっぱり、うまいんですけど、みんながうまさだけでなくて、守備や、チームとしてやっていかなきゃいけないところを、労を惜しまずにやってるんですね。
私自身、ブラジルに何度も来ていますけど、その辺は、変わってきてるかなと。昔はクラッキって言って、うまい選手は攻撃だけやってりゃいい、みたいな時代もあったんですけど、それが、うまい、プラス、チームとしてやるべきことをやった中で、個人個人のうまさや特徴を発揮するようになってきてるなっていう。
最初にトップの試合を見に行きましたが、まず上のところで、そこが変わって来てるんで、育成年代も変わってきてるな、という印象を受けました。だから、私自身も非常に勉強になりましたし、そこを今後、持ち帰って、活かしていきたいなと思います。
選手達はぐったりですね。でも、戦いながら、今持っている力を出してやろうとしているのは見えました。点差は開きましたけど、最後まであきらめずにやったと思います。だからこそ、今足りないものが明らかになったので、今はショックなところもあると思いますけど、まだまだ先がありますから、頑張って欲しいですね。
<試合後>
試合をつぶさに観戦してきたジーコから、大会参加記念の盾が贈られ、ようやく笑顔になった選手達。公式戦は終わっても、遠征はまだ続きます。がんばれ、つくば!
文=藤原清美、写真=Jorge Ventura / George Henrique