指導者インタビュー
[2009.09.03]
フルミネンセの優勝で終わった第12回日伯友好カップ。3人の指導者のインタビューをお届けします。
【インテルナシオナウ アンドレー・ジャルジン監督】
※28日に鹿島ノルテと対戦。
外国のチームと対戦できたことを、私達はとても喜んでいます。特に日本は全く別の文化を持った国。その相手との対戦を、名誉に思うし、誇りに思っています。意義深く、かつ、クオリティの高い試合になりました。
ブラジルでも、日本サッカーは急速に発展したと言われています。日本の人達は規律があるし、学ぶ意欲がとても大きい。そして、教える力のあるブラジル人を、多く日本に呼んでいます。だからこそ、短期間で成長できるポテンシャルがあるんだと思います。
私からアドバイスできるとすれば、技術面をたくさん練習することです。子供でも、できるだけ早い時期、5、6歳から始めることです。良い選手になる可能性を高めるためにね。早く始めて、長い期間をかけて、しかも毎日、たくさん練習することです。そうすれば、成果が出るはずです。
日本人は非常に熱心で、献身的に頑張る国民。それを、サッカーにも活かすことだと思います。
【鹿島アントラーズ・ジュニアユース育成担当部長 河崎淳一氏】
鹿島は今回、ブラジルに来る前に全国大会を戦っていて、その直後に、日本から28時間ぐらいかけて遠征してきたということで、ちょっと疲労があったと思います。3試合目になって、ようやく精神的にも肉体的にも、良い状態でできました。
ただし、簡単に繋ぐとか、クロスの精度など、技術的な面では、まだまだ足りないかなと。ブラジル人は、シュートやクロスの精度など、基本的な技術のレベルが、やはり高いなと思いますね。
ブラジルの選手の印象としては、以前に僕が来た8年前と比べ、みんな体が大きく、フィジカルが強くなりましたね。一方、いわゆる10番、アイデアとイマジネーションがあって、1人で勝負を決められる選手っていうのが、少し減ったような気がします。
私達も、8年前は、“経験”ということで済みましたが、今はやはり、スタッフもみんなプロ契約しているし、選手もプロを目指す子供達なので、やはり“経験”じゃなくて、“勝負”をしに来たんですよね。そういう中では、今年のアントラーズの特徴であるハーモニーを活かし、粘り強く、一生懸命やって、いい形で終われました。しかし、決勝トーナメントに行く目標が達成できなかった以上、これを“経験”で終わらせるわけにはいきません。日本に帰って全国を獲り、来年はまた、きっちりとリベンジできるように、いいチームを作ってきたいと思います。
【Jリーグ選抜団長 上野山信行氏】
個々の力は、やはり日本の選手の方が低いかなと思うんですが、これは、普段の練習の習慣の違いだと思います。ブラジルの選手は、“サッカーをしている”、つまり、ゴールを目指しています。日本の選手は、ゴールに行かない。確かに日本の選手も技術はうまくなってきていますが、ゴールに向かう技術、ゴールに直結する技術も、向上していかないと。その基本線をもう1度考え直してやっていけば、なんとかなるんじゃないかな、というのは、また改めて感じたことですね。
厳しく言えば、今回出来ていたことは、ほとんどないかもしれない。しかし、意識が行動を起こすんだということを、選手達にも話したいですね。先程言った、ゴールを目指すという考え方を意識している時には、良いサッカーができている。その良い考え方を70分間持続できれば、そんなには、差がないと思ってます。
現在、Jリーグには36クラブがあり、そこに、Jリーグ・アカデミーのダイレクターがいるので、こういう話を議論した中で、アカデミーの方向性、基本的な共通点を、構築したいと思っています。Jリーグが出来てまだ17年。すぐには難しいんですけど、すぐに構築しておかないと、この先、厳しくなります。早急に立て直すことが大事だと実感しています。