日伯友好カップ

2008年8月26日 おめでとうクルゼイロ、第11回日伯友好カップ優勝!

[2008.08.27]

大会最終日、CFZ(ジーコサッカーセンター)では、いよいよ決勝が開催されました。
試合前、指導者、代理人など、サッカー界の重要人物が続々とCFZに詰めかける中、朝から感動の一幕がありました。それは、大会の運営をサポートする高島雄大さんから、今回同行している、名良橋晃さんへプレゼント。

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名良橋さんが抱き合っているのは、尊敬してやまないジョルジーニョ。元鹿島、元セレソンのスーパースターで、現在セレソンのアシスタントコーチをしているジョルジーニョが、北京五輪から帰国した翌日にも関わらず、駆けつけてくれたのです。ちなみに、名良橋さんの再会第一声は「グワァァ!」。とっても緊張していました。

★決勝 コリンチャンスXクルゼイロ

ブラジル国内でも、U-15の大会として、最も有名で、かつ重要な大会となりつつある日伯友好カップ。ここまでの激戦を勝ち抜いてきた両チームの試合は、序盤からハードな戦いとなりました。

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Jリーグ選抜、鹿島アントラーズ、鹿島ノルテの選手達も、スタンドから食い入るように、この試合を観戦しています。

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結果は0-2。ミナスジェライス州の強豪、クルゼイロが優勝!
歓喜のクルゼイロ。この後、監督だけでなく、スタッフ全員を順番に胴上げしていた選手達が印象的でした。

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決勝トーナメントに進出できなかったたくさんのチームがあります。大会を通して、1勝も挙げられずに終わったチームもあります。そんな中で、コリンチャンスは準優勝。それでも、選手達は悔しい。優勝するつもりで戦ってきた選手達は、悔しい。

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【優勝:クルゼイロ監督レストン・ジュニオール】

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このU-15での優勝は、クルゼイロにとって、非常に喜ばしく、誇りに思うことです。この大会は国内で有名であり、非常にしっかりオーガナイズされた大会で、参加するチームのレベルは非常に高い。そんな中で優勝したのですから。私のチームの長所は、チームワークです。現代のサッカーは非常にレベルが高く、闘争的なものになっています。その中で重要になるのは、チームの結束力なんです。
毎日のハードに練習を続け、特に感情の面でも彼らをサポートし、この大会に向けて準備してきました。選手達には、まずはおめでとうを言いたい。しかし、ここでストップするわけではありません。今後もサッカーにおいて、彼らには達成するべきことがたくさんあります。そのために、また頑張っていこうと話すつもりです。

【準優勝:コリンチャンス監督イヴァネイ・ジョルジ・アソーリ】

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この大会のための準備期間が、20日間と少なかったにも関わらず、決勝に到達するまでには、ジュヴェントゥージやボタフォゴといった強豪を破ってきました。優勝できれば、もっと良かったのですが、それでも素晴らしい活躍ができたと思っています。決勝で厳しかったのは、連戦の疲れですね。非常に厳しく、消耗の激しい試合が続いたので、それが最後に響いたと感じています。
今日は選手達には、何も言いません。選手達はまだ若いから、何か言っても、頭が熱くなるなど、効果はないですから。あさって、また練習のために集合した時に、落ち着いて、何が良くて、どこをミスしたのかを説明します。今後の成長に活かすためにね。

★表彰式

試合後は表彰式が行われました。
この大会を応援し、または毎年のように視察に訪れる、ジョルジーニョ、サントス、ベベットといったビッグネーム達が、トロフィーやメダルの授与に一役買ってくれました。
この顔ぶれを見ても、おそらく世界で一番デラックスなU-15の大会です。MVPのヴァルレイ選手(クルゼイロ)には、ジーコから直々にトロフィーが手渡されました。

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最後はそれぞれが記念写真。クルゼイロはトロフィーと共に、チームソングを大合唱しました。

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コリンチャンスの選手達も、準優勝という誇りある結果に、また前向きな表情を見せてくれました。

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★修了式

一方、日本の3チームの選手達は、修了式に出席しました。

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ジーコのスピリットにおいて、今回の日本の3チームの結果に対し、笑顔はありません。悔しさを噛みしめるように、選手達に最後の言葉をかけてくれました。

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「参加してくれてありがとう。今回は結果がでませんでした。大会のレベルが高くなる中、気持ちの面を含めて、良い準備をしてこないといけない、ということです。長旅や時差の疲れ、食べ物や文化の違いなど、大変なのはわかっています。それに慣れた頃には、大会が終わっている。でも、それもサッカーの一部です。経験を積んで、乗り越えていかなければなりません。今年は日本人のブラジル移民100周年です。良い思い出を持って帰ってください。そして、Jリーグの選手になるために頑張ってください。」

大会に参加した選手達が、プロの選手になれることを、誰よりも願っているジーコからの、熱いメッセージでした。

★日本を愛する人達からのアドバイス

【デラシール】

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※市川トレセンを指導してくれました。

9年間市川トレセンを指導していますが、今年は他の3チームも含め、あまり良い結果は出せませんでした。ここブラジルでは、下部年代のカテゴリーを、すごく重要視しています。選手達の練習は、ほとんどプロと同じぐらい、ハードに練習しています。だから、この大会は非常に難しいものなんです。
日本のチームは何かを学ぶためにここにきて、ブラジルの大会とはどういうものかを理解する。そういう意味で、価値があると思います。そして、ここで何が起こっているかを、良く観察することです。今後の間違いを減らすためにね。そして、帰国したら練習です。すべての基本は練習、それも、意図のはっきりした練習です。

【ジュリオ・セーザル】

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※鹿島アントラーズを指導してくれました。

いつもジーコと話すのは、鹿島アントラーズも、もう10年も来ているんだから、決勝トーナメントに進出していないといけない、ということです。クラブでは、指導者が選手達に、何をしなければならないかを話さないといけません。
一番の問題は、体格だと思います。日本人はとても小さいんです。だから、指導者は栄養について、もっと考え、厳しく指導することです。日本人はボールが足元にある時は、とても器用です。でも、体が小さいから、それを奪われてしまう。アントラーズが奪われたゴールの多くはヘディングでした。だから、ピッチの中だけではなく、ピッチの外でやらなければならないことがあるんです。それは、明日や来年のための仕事ではありません。5、6年先に向けての仕事です。でも、今日始めなければ変わらない。それが私の意見です。

【ベベット】

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※この大会を毎日視察に来て、つぶさに見守っていました。

僕は今大会、見てないのは2試合だけですが、この大会は、選手育成にとって、とても大事なものになっています。14歳、15歳というのは、学んで吸収する時期、しかも、その一番良い時期の終わりに来ているところです。その後のU-17になると、もう難しいこともありますから。
日本のチームはこの大会で、決勝トーナメントに進出できなかったけど、ブラジルはこの世代でも、すごく力を入れているんです。だから、日本が進出するのは、非常に難しかったと思います。それでも、ビッグクラブも参加する、こういう交流はすごく大事なことです。日本の皆さんはジーコに感謝しないといけません。

【サントス】

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※毎年、この大会の視察を欠かさない指導者の1人です。

日本の違いは、個々の個性と1人1人の力だと思います。特に選手達は、精神的に強くならないといけない。なぜなら、チーム力としては、ここへ来る日本のチームはみんな、素晴らしいんです。戦術的に、非常に責任感がある。ブラジル人選手達に教えてもらいたいぐらいだ。でも、個人としては、すごくポテンシャルがあるのに、それが開発されていない。選手達はまだ臆病だ。だから、精神面を鍛えるためのトレーニングをすることです。
例えば、「2人の守備に対して、1人でドリブルで抜かなければならない」という練習をする。ボールを奪われても、ペナルティエリアまで行けるまで続ける。失敗しても、何度でも「もう1回」とやらせる。それを試合でやってミスしても、次もやってみろと言ってやる。選手に「僕にやらせろ」という自信がつくまでね。そのために、指導者も考え方を変えないといけないのでは、と思っています。

【ジョルジーニョ】

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※日本サッカーを今もブラジルで見続けている立場から。

他国と交流できる大会は、特に日本の選手達にとっては、とても大事なものだと思います。ブラジルでは、U-15のカテゴリーでも、選手達はすでに将来プロになるために頑張っている。そういうことを実感するのは、日本サッカーの成長を促すものだと思います。外国に遠征する、ということも重要な経験です。
僕は日本の下部組織での仕事を見ているわけじゃないから、意見を言うのは難しいけど、まずはこの世代で、体を作り始めていないことは、大きな違いになっていると思います。それから、この世代でも、ブラジルは非常に真剣に、ハードに練習を積んでいます。右足で蹴れる、左足でも蹴れる、ヘディングもできる、サイドバックがいつ上がればいいかのタイミングを知る、というふうに、基本的な練習をね。それを日本がやっているかはわからないけど、プロの選手を見た印象では、こういう下部年代で、ブラジルから育成のプロを呼ぶのも、大事なことだと思っています。

《主な大会結果》

決勝
コリンチャンス 0-2 クルゼイロ

優勝 クルゼイロ
準優勝 コリンチャンス
3位 ヴァスコ・ダ・ガマ

フェアプレー賞 CFZ・ド・リオ

MVP ヴァルレイ(クルゼイロ)
得点王 アウシデス(ボタフォゴ)
GKセーブ率 ドウグラス(CFZ・ド・リオ)

<文=藤原清美・写真=Jorge Ventura / George Henrique>

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