2008年8月21日 日本の3チーム、初戦に挑む
[2008.08.22]
今日はいよいよ、2次予選リーグが開幕!
友好カップ始まってから、毎日続く快晴の中でも、とりわけ陽射しの強い今日、気温31度ながら、体感温度はもっと厳しい暑さ。朝8時から行なわれた開会式の後、6グループの初戦が一斉にスタートしました。
日本勢の先頭を切ったのは、鹿島アントラーズ。朝9時キックオフの相手は、ブラジル南部ヒオ・グランデ・ド・スウ州の強豪ジュヴェントゥージです。
宮内選手のゴールで、先制したのはアントラーズ。その後、徐々にペースをつかまれ、攻め込まれますが、苦しい時間帯をしのぎ続けます。
ハーフタイムには、土田監督から修整の説明の後「やろうとしていることが見えるから、大丈夫だ。中途半端なのが一番だめだぞ!」と指示。今回の遠征で一緒に指導してくれているCFZのジュリオ・セーザルコーチからは、中盤が素晴らしいと、激励されました。
互角の戦いに見えたこの試合。しかし、後半に入り、ジュヴェントゥージに3点を奪われてしまったのです。結局、1-3で初戦を終えることになりました。
《鹿島アントラーズの試合結果》
鹿島アントラーズ 1-3 ジュヴェントゥージ
GK 仲村
DF 花崎、内野(加賀)、長石、山田
MF 西谷(松井)、渡辺、大窪、軍司
FW 宮内 谷川
<アントラーズの得点者 宮内龍汰>
★今日の「収穫」
【土田哲也監督】
負けてしまったことが非常に悔しいですね。前半先制しておきながら、後半の立ち上がり、ちょっとした気の緩みで失点し、そこから流れが変わってしまいました。そういう形で流れが変わることは分かっていただろうに、現実になってしまいました。
ちょっとしたことなんですね。マークの確認や、パスなのかクリアなのかをはっきりさせること。また、せっかくいいプレーでボールを奪っても、周りの選手に気づいてもらうように声を出さないために、また奪われてしまう。
明日の試合に向けては、そういうちょっとしたことがピンチにつながることを、再度強調しておきたいです。でも、やろうとしていたサッカーができた部分もあったので、明日は選手達の変化を見たいです。そして、勝ちたいですね。
【ジュリオ・セーザルコーチ】
初戦というのは、いつでも苦しいものです。アントラーズを応援しているがために、私まで神経質になったぐらいですから。明日からは良くなってくるでしょう。
限界まで戦って欲しい。そして、少なくとも1勝して欲しい。ジーコもアントラーズが来たからには、勝利を強く要求しています。私から選手達に伝えたい言葉は「目を覚ませ!」
【大窪健生選手】
前半はいいプレーができたんですけど、後半は足が止まってきて、周りが見えなくなり、ミスが増えてしまいました。次はそういうところを修整したいです。そのためにも、ホテルに帰ったら良く休んで、チームメイト達と今日の反省について話しながら、明日に臨みます。
【山田尚哉選手】
前半はパスも回って、体も動いていたんですけど、後半はパスが繋がらなくなり、相手に簡単にボールを奪われてしまいました。後半の反省点は、集中力のこともあるし、声が出なくなって、連係がうまくいかなかった部分もあると思います。今日はとりあえずリフレッシュして、明日は集中していきたいです。
陽射しのますます強まる午前11時、鹿島ノルテの初戦、CFZとの試合が始まりました。
前半は互角の戦いで、攻め込まれても耐える鹿島ノルテ。しかし、その前半修了間際に、CFZに先制点を決められます。
ハーフタイム、亀谷監督からは「目一杯やって苦しかっただろうが、“もう動けない”の後に、もうワンプレーを積み重ねるんだ。ここまでは、勝利に値する戦いをしているぞ!」と、熱い檄が飛びます。
しかし、後半は苦しい時間帯が続き、CFZにさらに3点を追加されます。その後、ノルテの惜しいシュートが度重なりますが、決めきれず、逆に最後にダメ押しの1点を入れられ、最終的に0対5で敗れてしまいました。
夜はマラカナンで、ブラジル全国選手権フラメンゴ対グレミオを観戦。熱いサポーターに刺激を受けた選手達。明日に向けて、気合が入ったことでしょう。
《鹿島ノルテの試合結果》
鹿島ノルテ 0-5 CFZ・ド・リオ
GK 百合本
DF 高坂、綿引、花井
MF 園佛(富田)、三好、上田(千葉)、薄井(今泉)、大竹
FW 山田、岡野(萩谷)
★今日の「収穫」
【亀谷誠監督】
昨日までの2つの親善試合とは、相手のレベルが明らかに違うところで、前半は本当に良くがんばって、相手を混乱させることもできました。後半、立ち上がりのところで勝負が決まってしまうと思い、それも伝えたんですけども、後半6分のところで失点し、集中力が切れてしまいました。
終盤、メンバーを入れ替えて、2度、3度と決定的なチャンスがありました。そこを決めることで、次に繋がると思います。今日は厳しい中でも、できた部分もありますので、気持ちを入れ替えていきたいと思います。
【山田晃選手】
シュートが入りませんでした。決めるべきところで決められなかったので、今後の試合では絶対に決めたいです。
1対0で折り返したので、1点でも入れたいと思って、ハーフタイムでは、自分からみんなと話しました。でも、今日は相手のプレスが、親善試合で対戦した2チームより早かったのと、チーム全体としても、ジーコのチームということで、しっかりしていたと思います。その中で自分も、自分のやりたいプレーができませんでした。
【萩谷一斗選手】
途中から入ったので、そこで点を入れて、流れを変えたかったんですけど、それができなかったのが残念です。
ただ、ベンチにいた時には、みんな頑張っていたので、その流れにうまく乗ろうと思ったのと、自分のポジションの中で、相手の特徴を見て分かっていたので、少しはうまくできたかな、というところもあります。この後は、気持ちを切り替えて、明日に向けて準備したいと思います。
午後2時に始まったJリーグ選抜初戦の相手は、リオの4大クラブの1つ、ヴァスコ・ダ・ガマです。林泰輝選手が少し体調を崩し、今日は見学に回りましたが、それ以外は全員元気に、キックオフ!
ブラジル屈指の強豪の前に、Jリーグ選抜は先制パンチを浴び、前半で立て続けに、3点を入れられてしまいます。しかし、気合が違うJリーグ選抜も、前半終了間際に、佐藤選手がゴール!1対3で折り返します。
暑さは強まる一方。でも、元Jリーガーである名取監督のハーフタイムの言葉は、修正の指示はもちろんですが、「しんどいけど、サッカーが楽しいのはここからだ!声出していけ。いつもしゃべっとけ」と、選手を鼓舞します。
迎えた後半も、再びヴァスコに3点を入れられますが、やはり、やられっぱなしでは終わりません。最後に小野瀬選手が決めて、結局2対6で試合を終えました。
《Jリーグ選抜の試合結果》
Jリーグ選抜 2-6 CFZ・ド・リオ
GK 白川
DF 佐藤(池田)、望月、遠藤(垂水)、吉田
MF 桑島(唐木沢)、片、平野、廣田(幸福)
FW 小野瀬 岩木
<Jリーグ選抜の得点者 佐藤寛貴、小野瀬康介>
★今日の「収穫」
【名取篤監督】
随分点を取られちゃったけど、これが必要なんじゃないですか。子供達がこの試合で、大事な部分を感じてくれるのが一番。勝負だから、点を取られてはいけないんですが、例えば球際でも、日本では足先で通用することが、世界では体でいかないと通用しないなど、“感じて”くれることが重要なんです。
昨日は練習試合でたまたまやられなかっただけ。その中で、結構できるんじゃない、という部分があったと思うけど、これが、“本気”ですよね。15歳でも、世界での戦いで本気になると、これだけ違うんだ、ということが子供達も分かったと思うんです。
今日感じた選手は、明日から変わってくるでしょう。ヘコんだまま帰ることになるかも知れないけど、このままズルズル行くことは、ないと思います。
《その他の試合結果》
フラメンゴ 0-0 センダス
コリンチャンス 4-3 マドゥレイラ
ボタフォゴ 2-1 フリブルゲンセ
インテルナシオナウ 1-0 サン・カルロス
アトレチコ・ミネイロ 1-0 カンポ・グランジ
クルゼイロ 2-0 リベルタッド
フルミネンセ 7-0 バングー
フィゲイレンセ 2-3 ブラジリア選抜
ノーヴァ・イグアスー 1-1 ヴィトーリア
<文=藤原清美・写真=Jorge Ventura / George Henrique>