日伯友好カップ

2008年8月18日 市川トレセン、最終戦は悔しい11失点

[2008.08.19]

市川のリオでの最終日は、グループリーグ第3節、アルチスウとの対戦でした。
今日も朝から快晴。気温30度のCFZ(ジーコサッカーセンター)での試合です。

市川はケガ人もなく、公式戦3試合目にして、初めて日本人だけでスタメンを構成することができました。

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ところが、前半15分にアルチスウに先制点を決められ、その後、立て続けにゴールを奪われてしまいます。
ベンチから、守備を修整する指示が繰り返す飛ぶ中、相手に振り回される選手達。遠征最終日で消耗した体に、守勢に回る厳しさが効いてきます。結局前半だけで、0対6と点差が開いてしまいました。

ハーフタイム、伊藤監督からはモチベーションを高めるための檄が飛び、立岡コーチからは具体的な修正点の説明がありました。しかし後半、さらに苦戦が続き、最終的に、なんと0対11で試合を終えることになったのです。

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ここまでつかんできた手応え。その集大成になるはずだった今日。
悔しい、悔しい選手達。

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でも、誰よりも悔しさをあらわにしたのは、到着してからずっと、市川を見守ってきたジーコです。試合後の修了式で、ジーコに笑顔はありませんでした。そして選手達にも、サッカー人生の教訓を与えてくれました。

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「遠征とハードなスケジュールで、消耗していただろうが、いざ試合になったら、それを吹き飛ばさなくてはならないんだ。毎年参加している市川の歴史の中でも、今回の結果は良くなかった。
そして、この大会も年々レベルが上がっている。ここで勝つためには、1人1人が日々の練習の中でレベルアップし、良い準備をしてこないといけない。
しかし、皆さんがここへ来てくれたことに、ありがとうを言いたい。そして、自分なりに考えて、この経験を今後の人生に活かしてくれることを、心から願っています。」

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選手達の未来を大切に思うからこそ、あえて厳しい言葉で鼓舞したジーコ。
最後は1人1人に、修了証書を渡してくれました。

ジーコが強調したのは、日々の積み重ねの中で、良い準備をして大会に臨むこと。勝利に近道はありません。この経験を糧にできるかどうかは、選手自身にかかっています。

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市川は今日、ブラジルを発ちますが、日本に帰って、また挑戦です。
がんばれ、市川のみんな!

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《市川トレセンの試合結果》

市川トレセン 0-11 アルチスウ
GK 工藤
DF 宮内、太田、吉田、湯浅
MF 轟木、斎藤、八木(ジエーゴ)、春木
FW 佐藤、前川

★ブラジル遠征の「収穫」

【前川昴己選手】

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今日戦ってみて、日本人とブラジル人では、気合の入れ方が違うと感じました。僕らの方が、気持ちの面で、すべてが足りなかったと思いました。
この1週間で分かったことは、やっぱり、自分はまだまだだ、ということ。日本に帰って、頑張って練習しようと思います。特に今回の経験から、ファーストタッチだとか、視野を広くして、周りを見ることに気をつけながら、取り組みます。
サッカー選手としての目標は、自分の行けるところまで、どんどん上に行くことです!

【吉田拓也選手】

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声を出して指示をしようと思い、それはうまくいったんですけど、前線まで届いてたかがわからないので、後で確認したいと思います。でも、最後の方は、みんなで声を出し合えたので、いい経験になりました。
ここで学んだのは、毎日毎日積み重ねながら努力していけば、ブラジル人とか日本人とか関係なく、いい選手になれるのかなと感じたことです。だから、自分に足りないのは、何より練習だと思います。
今後の目標は、まずはいい高校に入って、いい選手になって、プロになりたいです。

★指導陣の総括

【デラシールコーチ】

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市川は毎日一緒に練習しているチームじゃない。継続したトレーニングもできない。日本で集合して、すぐにここへ来たから、お互いにあまりよく知らない選手もいた。そして、確かにブラジル人の技術は、もっと磨かれている。ここで市川と対戦するクラブは、毎日一緒に練習し、栄養管理もされ、しっかりした施設もある。
市川が乗り越えるべきことはたくさんあるけれど、そういう中で、少しでも向上できるようにと指導してきました。短期間だったから、難しいことは分かっているが、何らかを学んでくれたことと信じています。
日本に帰って、この経験を活かすためには、自分にできることを、もう1度よく見つめ直すことだと思います。
市川はとても愛情を感じるチーム。僕の心、そしてCFZに心に住む、特別なチームです。これからも頑張ってください。

【立岡康徳コーチ】

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今日は3試合目。疲労もあって、コンディション作りがうまくできませんでした。それに、ここに来る前に一緒に練習できなかったのが、結果に出ているかなという気がします。
また、ブラジルの方は、プロを目指してる中で選ばれた子供達が参加し、こちらは学校の部活動の一貫としてやっている中で選ばれた子供達っていう、最初のところで、差があるのかなと思うんですけどね。だから、選手達も目的意識の違いというものを、はっきり実感したんじゃないでしょうか。
そして何より、彼らが実感として得たものは、きちんとトレーニングを積むことによって、技術を持つことができる、ということじゃないかと思うんです。基本的なことは、毎日毎日繰り返して、出来るようになる。基本がしっかりしていれば、それを応用することができる。
それが指導者としても、大事な部分です。基本的なことを、狙いは同じなんですけど、目先を変えながら、いかにやっていくかを、僕らの方が常に開発していかなければならないと感じています。

【伊藤幸仁監督】

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ずいぶん差が出た試合になりました。モチベーションの部分で、差があったんじゃないかと思います。点を取られて、その次に繋げていこうというより、落ち込んでしまい、この結果になってしまいました。
でも、この1週間を通して、ブラジルの子達の、基本的な技術を練習している時の姿は、目にして、学んでくれたんじゃないかと思います。真面目に、謙虚に、指導者の言うことをよく聞いて、何度も何度も繰り返してやっている姿。それと、ゲームに対するやる気ですよね。勝つんだという気持ちを、体で感じてくれたんじゃないかと思います。それに対し、同じようにやる気を持つのは、そんなに難しいことではなかったと思うんですけども、まだまだ、気分的に甘かったかなと。
指導者としては、ブラジル人の子供達は、バランス感覚がすごく長けていると思いますね。それを小さいうちから身につけられるように、日本でやっていきたいと思います。バランス感覚と基本的な技術、それが指導のテーマになると思っています。

<文=藤原清美・写真=Jorge Ventura / George Henrique>

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