ジーコの主張

高精度パスの重要性

[2008.02.10]

最近の数試合にはアレックス選手が我々のチームに復帰して、平均的に大量得点を決めることが出来ました。私は頻繁に、基点となり、正確でチームメイトが受け易いパスを出せる、司令塔の重要性を際立たせます。そして、アレックス選手はこの様な特徴の持ち主なのです。今週のヨーロッパ・コネクションは正にパスに関してであり、私の意見では、サッカーで最も重要な基本でもあります。

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今日の試合を観察すれば、選手が精度の高いパスを供給することが出来れば、難なくボールをコントロール出来て、ゴールへとシュートを放つことが可能だと私は明白視しており、この様な選手はどんなチームにおいても比較的安易にポジションを手にすることが出来ます。もしかしたら貴方は、スピードやパワー、その他に関しての質問をするかも知れません。私は、それら全ては比較的簡単に克服が可能であり、時と場合によっては、眼をつぶることが出来る特徴だと言えます。でも、精度の高いパスが無ければ、プレー自体が困難になります。

フラメンゴの下部組織で指導を授かった、Joubert(ジョーベルチ)やその他の監督陣の皆さんのお蔭で、サッカーの基本的な技術を実行する重要性を覚えました。キーワードは精度なのです。全ての根本となる第一歩はボディーバランスです。ボディーバランスが整っていれば、ボールキープやシュートが難なくなり、効果的なパスの供給も可能となります。軸足はボールから約1手幅尺に位置して、爪先は蹴る方向に向いていなければいけません。確実なショートパスを出す場合には、インサイドで蹴る必要があります。余談ですが、何れにしろ、これが技術面での理念なのです。でも、基本は、練習の繰り返しであり、くたびれたら実践である試合を想定しながら更に練習を重ねることです。

高精度のパスは、更に周囲を見渡せる視野とのコンビネーション、即ち、自己周辺の動きを察知する洞察力によるものであり、可能であれば事前にチームメイトと意思の疎通を図っておくことです。これらの実行は、練習の一部だと言えます。私は、攻撃面で共にプレーをする選手達に、私は彼達の位置を逸早く把握しており、咄嗟にパスを出す可能性がある故に、例え私が背を向けていても、詳細なる動きに注意を払うように常に伝えていました。私と一緒にプレーをした数人のフォワードの選手達に、仮に私が供給した全てのパスを得点に繋げていれば、彼らは更に功を立てていただろうと、冗談を言います。

精度の高いパスを語るには、試合での活用率を応用するのが大変興味深い要素です。こちらフェネルバフチェでは、チームパフォーマンスの評価に統計学を使用していますが、世界中でこれらの数字は適切な分析が行われずに多々指摘されることがあり、間違ったビジョンを生み出してしまいます。これらの統計に、ボールが最も多く経由するボランチのポジションの選手が、「ベストパサー(パス供給者)」に名を連ねている事実は決して珍しくはありません。何故ならば、彼らはサイドも含めてメートル単位の正確なパスを30~40出すのです。ここで私は、敢えてこれらのデーターを分別ある方法で使用します。そして、我々はパスに対する難易度を定めることを試みました。無駄なパスを数多く間違えるよりも、幾つかの大胆なパスをミスしてでも、得点へ直結するボールの供給を成功するパスを、私は好みます。

結局のところ、精度の高いクロスボールは素晴らしいパスで、センタリングは華麗なパスであり、ビルドアップは基本的なパスに比例することを、私は強調したかったのです。そこで、カウンターアタックに直結するパスを供給していたフランツ・ベッケンバウアー、極稀に見る50メートル級の見事なパスを出していた黄金のレフティーことジェルソン、サイド攻撃に有効なパスの代名詞とも言えたカルロス・アルベルト、完璧なミドルレンジのパサーとして知られた偉大なるトスタォン達を想起したく思います。更には、今日に至り正確なパスが蹴られるエドゥーも含め、ショートパスの名手だった、私のアントゥーネス兄達の存在です。上述した彼達は私にとって貴重な影響をもたらしてくれました。

名簿には他にも数多くの名がありますが、元チームメイトやライバル、更には私が感嘆する元及び現プレイヤーも含めて、実際に私が見た選手達全員に賛辞を送りたく思います。

それでは皆さん、ウン・グランデ・アブラーソ!

また来週お会いしましょう!

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