ジーコの主張

タイトル奪取後に戦は開始

[2007.08.18]

トルコスーパーカップに於いて、今シーズンスタートと同時に既にトロフィーを掲げられた事は素晴らしいことです。フェネルバフチェは、王者同士の直接対決によるこの種のタイトル争いでは、長年に亘りアドバンテージを有することが出来ませんでした。そして、この様な勝利は常にグループに士気をもたらし、モチベーションを与えてくれます。何故ならば、あくまでも今シーズン初の公式試合でもあったからです。シーズンはようやく始まったばかりであり、この内容が今週のヨーロッパ・コネク
ションのテーマでもあります。

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我々は、トップチームを約28選手から成るグループで編成しました。但し、この人数には下部組織(ユース)の選手は含まれておりません。今シーズンはビッグ対決に満ちた一年であり、選手層を厚くするのは大変重要なことでもあります。今回のトルコ・スーパーカップでの対ベシキタシュ戦では、昨年以上の選手層を誇っていた事実が大きな差を呼び、欠場やベストコンディションに達していなかった選手達が存在していたにも関わらずに、交代を行いながらチームのレベルを維持して、好内容を展開できたのです。

そして今年は、去年以上にプレッシャーが更に厳しいシーズンになるのではないかと実感しております。昨シーズン、フェネルバフチェ100周年の年にタイトルを制覇した事実に対して、今シーズンはトルコに於いてのデイフェンディング・チャンピオンの立場であり、サポーターの要求は更に増します。我々には依然として欧州の大会での好結果が不足しており、その現実に際して既にチャンピオンズリーグを目前に控えております。行く先には、欧州の大会では既に我々フェネルバフチェ以上の戦歴を誇っている、現ベルギーチャンピオンのAnderlechtが待ち受けているのです。

でも、私は我らがグループのポテンシャルを信頼しており、ベルギーのチームを凌げることを確信しております。勝率は半々、即ち50%であり、勝敗はピッチ上で決定されるのです。従って、試合に挑んで勝利する可能性があればこそ、我々は献身し続けなければいけません。第一目標は、去年は成し遂げることが出来なかったグループリーグへの進出なのです。但し今年は、前回以上に準備は整っており、目標達成を目指して全力で挑みます。

しかしながら、それだけでは十分ではありません。我々の義務は、来週の金曜日に開幕するSuperlig(トルコリーグ)で2連覇を賭けて闘うことでもあります。主要ライバル勢の補強にも関わらずに、我々は昨シーズンの覇者故、優勝有力候補として臨む訳ですが、この下馬評はピッチ上で証明しなければいけません。正に我々は敵にとって絶好のターゲットと化したのです!

この見地からも、選手層の厚い強力なグループを有することが影響を及ぼします。昨シーズンは、欧州の大会で敗退を喫していたことで、Superlig(トルコリーグ)終盤戦を好調で迎えられたのです。もし、我々が全線で健闘をしたいのであれば、選手達の適切なるロテーションを行えることがファンダメンタルだと言えるでしょう。

そして、我々はトルコカップも妥協をする気は決してありません。昨シーズンは準決勝で敗退を強いられましたが、長年クラブはこのタイトルを制しておらず、今回は奪取すべく挑みます。即ち、三つの戦線を全力で闘いたいのです。

我々のグループはハイレベルで、トルコ・スーパーカップの制覇でモチベーションは高く、そして好結果を得られることを信じる選手達で編成しております。Colonia(ケルン)へ惜しまずに足を運び、後押しをしてくれた約2万人のサポーターの皆さんへ、再度感謝の意を伝えたく思います。そして、私が選手達へ伝えているのは次のことです。もし、彼らがあの栄光の瞬間や、昨シーズンのタイトル奪取後の喜びの日々を再現したいのであれば、制覇への道を日々の献身で築いて行く必要があります。毎回のフィジカルトレーニングや戦術練習も含め、常時彼らが個人技術の洗練及
び組織プレーの向上を図ることで、あのタイトル制覇で体感した喜びや幸福感の忘れられぬ映像を完成させるべくパーツを、一つずつ貼り付けているのです。そして、あの栄光を再び体感したくない人物が果たして存在しえるのでしょうか?

それでは皆さん、ウン・グランデ・アブラーソ!

また来週お会いしましょう!

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