涙・・そして十字靭帯
[2007.03.13]
オビーナを襲った悪夢の13秒。この事態はグァナバラ杯準決勝のフラメンゴとウ゛ァスコ戦を観戦していた人の全てにショックを与えたと思う。
ボールを受け、そのままシュート。その直後に転倒・・・・この一連の単純な動作の代償として彼は約半年という期間をリハビリに費やす事を余儀なくされてしまった。
その強烈な痛みによりピッチをさる彼の顔は涙で歪んでいた。
そして同じ様にベンチで痛んだ膝の激痛に耐え兼ねて泣きじゃくるコリンチァンスのニウマール。
オランダ、アヤックスで活躍するレオナルドのケース。
紹介したこの三つの例の共通項は“十字靭帯”。
これが今回のヨーロッパ・コネクションのテーマである。
「この話題はもう取り上げただろう」おそらく多くの方々は言われるであろう。その通り。
ここ数年ヨーロッパ・サッカー界で頻繁に起ころっている事例として昨年末に皆さんにお伝えしている。
しかしながら何故再度この話題を取り上げたかは、お読み頂ければ納得して下さると思う。ご存知の通りサッカーがビッグビジネス化している現在、選手、クラブともに怪我に対する充分な対応を考える余裕はない。しかしながら実際全てに大きな損害をもたらすこの問題は何らかの対応が不可欠である。
オビーナ、ニウマールの怪我のシーンを見て感じた事は、これはあくまでも私個人の意見であるが、選手がバランスを失い転倒する際、自然に怪我をしない為のリアクションをとれれば(例えば柔道の受け身の様な)その頻度はかなり減るのではないか。
これは、自爆又は相手との接触、いずれにせよ瞬時の反応を身につけていなければならないが。それに関し私がまだ現役の頃のエピソードがある。
以前皆さんに書いた別のコラムで登場した当時私たちのフィジカルコーチだったフェルナンド・ソアレス氏がある日突然「今日は特別メニューとして皆に空手の極意を身につけてもらうぞ」と言い出した時には選手は大ウケだった。
しかしあの時は冗談であった事が今日、真面目に検討する価値があるのではないかなどと考えてしまう。
あの受け身の動作を身につけていれば・・・・。何故私が十字靭帯に関してこれほどこだわるかというと、私自身85年に同じ怪我をしており当時は選手生命を断念せざるを得ないかとまで追い詰められた経験をしているからだ。
もちろん今日のスポーツ医学の進歩により治療、リハビリで以前に比べると格段早く復帰出来る様に なった。
つくづく残念に思うのはあの頃に現在のケアーの技術があれば私が今でも毎日のように行っている投薬、補強運動、筋トレ、体重の管理等の努力は半減しただろうにという事だ。
只々、愛する草サッカーでプレーする為に・・・・。
先日、私の誕生日にネイロー先生(長年膝の件でお世話になっている)からお祝いのお電話を頂いた際しに話題になったのがやはり頻発する靭帯損傷に関してであった。
先生の話では、医学の進歩により同種の怪我で選手生命を断念するケースは以前に比較するとかなり低くなった。
しかしながら重大な怪我にはかわりない。
これからさらに医術は進むであろうが、同時に選手自信が予防策を真剣に検討する必要性を強く語っておられた。
私も同感である。空手、柔道の受け身が解決法となるのか。
あるいは別な良策があるのか。いづれにせよ担当のフィジカルコーチを中心に再度検討すべき大事な問題である。
ニウマール、オビーナ、レオナルドが流した苦痛の涙がいち早く復帰後ゴール、勝利の喜びの涙に変わる事を祈ってやまない。


