ジーコの部屋

アラブの天才

[2006.10.29]

背の低いバイアーノ(バイア出身の人の意)でするどい洞察眼を持つ。有名な文学者でもあり法律にも通じているブラジルの誇るルイ・バルボーザ。彼は間違いなく20世紀の天才であり,1907年アイアでの国際平和会議のブラジル大使として中心国が大国と同じ権利を有する事を声高に主張し“アイアのワシ”との異名をとった。

1923年にペトロポリスで亡くなった。口上でかなり硬い文言でスタートしたのは今日のエピソードを皆に伝えるのに必死だったのであしからず。
‘79~’80年のフラメンゴの中での流行で仲間内で何かとんでもない言葉の間違いやおかしな事を言った時に“ルイ・バンボーザが墓石をゆすってるぞ”と皆ではやしたてたものだった。

今は故人となったチームメイトのルイジョーニョは良く他人の会話に入り込んで突拍子もない事を言い皆を笑わせる名人だった。
ある時サンコンラードの合宿所に皆でたむろしている時、監督の息子カスカンが学校の数学のテストを持って帰ってきた。(成績は最低)
そこで監督が息子に“テストどうだった?”と聞くと“3点”と息子が答える。

“でもクラスで一番さ”とえらそうに言った。
誰かが“カスカンは天才だ”と叫んだとルイジーニョが飛び出して来て大声で“カスカンお前はシャザン並だ”とアラジンのランプの魔王に勘違いしたんだと思うがそこで皆は大笑い。
“もう止めてくれ”“ここは”アリ・バローゾばっかりでやってられない“と皮肉たっぷりだった。

因に偉大なジャーナリストで作曲家でもあったアリはフラメンゴの大ファンでもあったんだ。
ルイジーニョはルイ・バルボーザとアリ・バローゾを取り違えた事もあり散々だった。ああ偉大なルイジーニョよ永遠に。

in [ジーコの部屋] |

< 前の記事へ | 最新の記事へ | 次の記事へ >