ジーコの主張

新たなカップ戦開幕!

[2006.10.26]

今週の水曜日には、こちらではトルコ・カップの開幕が控えており、我々にとっては3大会同時参戦となり、欧州チャンピオンズリーグのグループリーグも含めれば、Fenerbahçe(フェネルバフチェ)にとっては今年4大会目に及ぶ参戦となります。そして、これ程までに幾つもの異なった大会が開催されている最中、慣れていなければ途方に暮れる可能性が存在します。今週のヨーロッパ・コネクションでは、似通ったブラジルや日本、更にはUEFAカップとも比較をしながら、開幕するこのトルコ・カップに関して手短に綴ります。

1470_1

トルコ・カップの興味深い点は、トルコ国内の3rdディビジョンのチームまでもがタイトルを目指して参戦できるという、大変民主的な特質を持っていることです。例えば、我々のグループでは、3rdディビジョンのInegolsporと2ndディビジョンのIstambul BBが属しています。この局面からですと、コッパ・ド・ブラジル、更には日本の天皇杯とも類似点が見出せます。相違点はと言えば、日本の天皇杯は間口が更に広く、プロ・アマを問わずに全ての第1種及び第2種のチームが参加できることです。但し、日本の場合は、「ビッグ」と言われるシードチームはトーナメント大会の中盤戦のみから参戦します。こちらトルコでは、前年度にトルコ・リーグで降格した3チームも含めてファーストラウンドから凌ぎを削るのです。

今週開幕するトルコ・カップは現段階で既に第3ラウンドであり、20クラブが4グループに分かれてリーグ戦を行い、上位2チームがトーナメント方式の準々決勝戦へと進出をします。UEFAカップとの相違点は、グループリーグはホームアンドアゥエイではなく、各チームとの試合会場は抽選で決定されての1ゲーム制ですが、大会形式自体は似通っております。我々のホームゲームは、初戦の対Gaziantepspor及びInegolspor戦です。興味深いことに、UEFAカップではいわゆる死のグループに当たったのですが、こちらでは抽選時のボールも手伝い、我々を確率的に高いグループへと導いてくれたのです。勿論、この種の大会で容易さなど有り得ません! 下部ディビジョンのチームが、「ビッグ」と呼ばれるチームを相手に闘い、力を発揮して頭角を現すかは、ブラジルや更にはヨーロッパでの類似する大会で一目瞭然だと言えるでしょう。

グループリーグを経て一発勝負のトーナメント戦なのです。仮に、開幕を寸前としたこの段階でのトルコ・カップとコッパ・ド・ブラジルの大会方式は大きく異なっても、優勝チームへの報奨面には大きな類似点があります。ブラジルではタイトル奪取はリベルタドーレス杯への出場権に繋がり、こちらの昨年の覇者であるBesiktasはUEFAカップへの出場枠を手にしました。最終的には、大会方式は相違するも、タイトルまでへの試合数はお互いに近いものがあります。例えば、今年のコッパ・ド・ブラジルの覇者フラメンゴは、トルコ・カップで優勝達成までに必要な試合数よりも僅かに2試合のみ多く闘ったのです。

我々のチームにとっては、多忙スケジュールの中で順応性を持って臨む必要がある新たな大会なのです。多少なりの移動は強いられても、海外への遠征ではないことが利点だと言えます。いざ開幕するこのグループリーグでは、回復の余地は存在せず、最たる注意が要されます。各相手とは1試合のみの決戦であり、グループ上位2チームのみが突破出来ます。単純に数学的な計算から言えば、ホームでの試合で確実に勝ち点3を奪い、アゥエイで最大限の勝ち点、即ち最低でも1勝を挙げられれば、総勝ち点が9となり、出場枠の一つを確実と出来るのです。

先週末の快勝で我々は高いモチベーションを持って臨むのですが、常に注意は払わなければいけません。初戦を、トルコ・リーグでは好成績を残しているチームとホームで対戦します。正に確信と注意がキーワードとなる、新たなカップ戦が開幕をしようとしています…!

と云うことです! それでは、ウン・グランデ・アブラーソ!

そして、皆さんまた来週お会いしましょう!

in [ジーコの主張] |

< 前の記事へ | 最新の記事へ | 次の記事へ >