「監督 ~ 学歴と知識」
[2006.10.20]
こちらトルコで、私はインターネットを通じてアトレチコ・ミネイロ(ブラジル国ミナス・ジェライス州)のLevir Culpi(レヴィール・クーピ)監督の取材で、サッカー指導者の道を歩む元サッカー選手達には敬意を払うも、直接に今回ブラジル代表監督に就任したドゥンガの件を強調する評論を目にしたのです。彼は、ドゥンガは選手としてもブラジル代表として長いキャリアを持っており、新人監督としての能力に対しての異議を唱えている訳では決してないのだと述べていました。ここでLevir Culpi(レヴィール・クーピ)監督が問題提議をしているのは、これ程までに重要なポストに就くためへのカリキュラムが欠如しているということなのです。体育学科を卒業しているアトレチコ・ミネイロ(ブラジル国ミナス・ジェライス州)の監督は、世界サッカー史に於いて最もタイトルを有するチームの指揮官にも、同等の学歴を求めているのです。今週のヨーロッパ・コネクションは、Levir Culpi(レヴィール・クーピ)監督が提議した事柄に関して繰り広げて行きます。
Levir Culpi(レヴィール・クーピ)監督の意見自体は尊重しますが、ここで重要なのは彼に同意するか否かはあるにせよ、ディスカッションに疑問を与えることなのです。私自身は、イタリア・サッカーへの移籍に伴い、後僅か2学期を残して中退を余儀なくはされましたが、大学では体育学科を専攻しており、この件に関しては気楽に話せます。従って、学位授与の真価を心得ているのです。その反面、今日では監督として活動しており、既にナショナル・チームである、日本代表の指揮をも執りました。要するに、私はドゥンガまたはLevir Culpi(レヴィール・クーピ)監督の何れにも賛成しているわけではありません。私は唯単にこのディスカッションを充実させたいだけなのです。
私は、過去ブラジル代表を率いて勝利を収めた歴代監督勢の経歴を遡って調査し、全員が何れかのタイトルを実績に、就任している事実に気付きました。敢えて、Vicente Feola(ヴィセンテ・フェオーラ - 1958年優勝監督及び1966年W杯監督)やAymoré Moreira(アイモレー・モレイラ – 1962年W杯優勝監督)監督を例には挙げません。でも、しいて挙げるならば、Zagallo(マリオ・ジョルジェ・ローボ・ザガーロ)、Parreira(カルロス・アルベルト・パッヘイラ)、Felipão(フェリパォン - ルイス・フェリッペ・スコラーリ)は代表監督就任以前に歴史を築いたトリオだと言えます。これらの分析に基づけば、Levir Culpi(レヴィール・クーピ)監督の主張は一理あるのです。私は学業経験からも、ピッチ上での知識は実戦であり、これらは学校では教えない事実も認識してはいますが、職務への責任を考慮すれば、重要なるポストには学歴への要求が必要なことも同意します。そして、テクニカル・スタッフ陣営の他の部門に至っては、フィジカル・コーチやドクターなどのスペシャリストのプロフェッショナルが存在します。でも、サッカーの最高機関であるCBF(ブラジルサッカー連盟)の会長がかつてアスリートの経験が一切無く、クラブ首脳陣や更には国家の大統領すら学歴が必要とされない国では、監督にそれらの条件を要求することなどは勿論できません。
イタリアなどの欧州の国々では指導者育成の課程が要求される事実は認識しており、ブラジルにも過去に数多くの監督を育成した、大変優れたEscola de Educação Física do Exército(陸軍体育学校)が存在しました。但し、依然として実在するか私は知りません。しかしながら、サッカーは変化を遂げたのが事実なのです。1970年のW杯では、監督が公式記録などの試合の書類に署名をするためには学位授与が必要だったのですが、現在ではチームのテクニカル・スタッフ陣営は膨らみ、あらゆる分野のプロフェッショナルで編成されており、10~11人にも上る程です。
私自身、前述したように学位授与はしておりませんが、選手としてフラメンゴ、ウディネーゼと鹿島アントラーズで経験を積んだのみではなく、CFZ do Rioと言うクラブのオーナー及び鹿島アントラーズのテクニカル・ディレクターも勤めて、更にはこれら2チームでは実際に自ら采配も下したのです。即ち、知識と学習は不足しているとは言えません。
私はここに多少なるヒントと自分なりの見解を記しておきます。如何なる任務に従事するにも、職務によって要求度は異なる必要性は存在するでしょうが、必要条件を満たさなければいけないのではないかと思います。これは私見ですが、任務を遂行するための新人プロフェッショナルのタレントは関係なく、あくまでも平等性を保つ手段ではないでしょうか。如何様にして、明確なルールにより、紛れも無くスポーツや政治及び社会に弊害をなす、歪みと権力の駆け引きの排除にて、全員が進化と最高ポストを目指して競争できるのです。
と云うことです! それでは皆さん、ウン・グランデ・アブラーソ!
そして、また来週お会いしましょう!